おたふく風邪の精巣炎で不妊になったら?|TESE(精巣内精子回収術)と夫婦で歩む不妊治療

不妊治療コラム

前回の記事で、思春期以降(または幼少期後半〜成人)におたふく風邪にかかると、20〜30%の確率で精巣炎を併発することを紹介しました。

→前回の記事については「「子どもの頃の高熱で不妊になる」は本当?」へ

実際に精巣炎で男性不妊になってしまった場合、どのように対処したらよいのでしょうか。

精液検査と「TESE(精巣内精子回収術)」という選択

まずやるべきことは、男性不妊専門の泌尿器科で詳しい状態を正しく評価することです。

精液検査を行い、射精された精液中に精子が存在するか、運動率や状態を確認します。
もしわずかでも精子が見つかれば、体外受精や顕微授粉へと進むことが可能です。

仮に精液中に精子が見られない「無精子症」と診断された場合でも、精巣内精子回収術(TESE / Micro-TESE)という手術の手立てがあります。

精巣炎によるダメージが一部にとどまっている場合、精巣の組織を一部採取し、顕微鏡下で観察することで、奥に残っているわずかな精子を直接探して回収することができます。

たった1体の精子から未来を拓く「顕微授精(ICSI)」

TESEなどの手術によって無事に精子が1体でも回収できれば、次のステップである顕微授精へと進みます。

パートナーから採卵した卵子に、回収した精子を細い針で直接注入して受精卵(胚)を作り、それを子宮へ移植することで妊娠を目指します。
医療技術の進歩により、精液中には精子がいなかったケースでも、赤ちゃんを授かることはできます。

ふたりで未来へ向けて歩み出すために

  • 「男性不妊外来」を併設する専門クリニックを受診する

    一般の産婦人科や泌尿器科ではなく、「男性不妊外来」を設けている生殖医療専門のクリニックを受診します。
    度の高い精液検査や超音波検査を受けることで、現状の正確な把握と、最適な治療ステップが見えてきます。
  • パートナーとともに相談する

    もし男性不妊であっても、パートナーの女性が無関係でいることはできません。
    顕微授精ということになれば、採卵や胚移植で女性側にも身体的な負担があるのです。

    →私の体験した採卵については「30代後半の体外受精レポート」へ
    →二回目の採卵については「2回目の採卵、全滅の衝撃」へ
    →激しいOHSSに苦しんだ三回目の採卵については「採卵3回目・19個採れて胚盤胞は4個」へ

    不妊治療は夫婦で取り組むプロセスです。
    二人で納得のいく選択をすることが不可欠です。

もし無精子症と診断されても、諦めずに済む方法があることがわかりました。
しかしTESEは精巣を切開する手術です。
麻酔を使うとはいえ、男性にとっては怖いものでしょう。
一方で、必然的に顕微授精になるため、女性側にも負担はあります。

夫婦でどういう選択をとるか、足並みを揃える大変さが男性不妊にはあるのかもしれません。

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