体外受精や顕微授精の治療では、ただ受精卵ができればよいわけではありません。
「胚のグレード」が重要になってきます。
SNSの不妊治療アカウントでも、グレードを表す「4AB」や「グレード1」という記述を見かけることがあるかもしれません。
そもそも、胚のグレードとはなんでしょうか。
一言で言えば、グレードとは「胚培養士が顕微鏡で見た受精卵の見た目(外見的特徴)と成長スピードの評価」です。
そもそも「胚のグレード」とは?見方と評価の仕組み
胚の評価方法は、受精卵の発育段階によって異なります。
【初期胚】細胞の均一さとフラグメンテーション(1〜5段階)
受精後3日目までの初期胚では、細胞の分割が均等か、細胞の破片である「フラグメンテーション」がどれくらいあるかによってグレードが決まります。
一般的に1〜5の5段階で評価され、数字が小さいほど良好胚です。
【胚盤胞】ガードナー分類の見方(数字+2つのアルファベット)
受精後5〜6日目まで育った着床直前の胚盤胞では、ガードナー分類という評価システムが使われます。
これは「3AB」や「4AA」のように、数字+2つのアルファベットで表記されます。
- 最初の数字(1〜6): 胚盤胞の成長度や広がり具合。良好かどうかではなく成長具合を表します。
- 1つ目の文字(A〜C): 将来「赤ちゃん」になる部分の細胞密度。Aがもっとも高密度。
- 2つ目の文字(A〜C): 将来「胎盤」になる部分の細胞数と状態。Aがもっとも細胞数が多く接着。
A評価が揃う「4AA」などは一般的に見た目が非常に美しく、胚培養士の視点からも「順調に成長している良好な胚」と判断されます。
良好胚=妊娠確実?グレードと「生命力」の違い
統計的なデータで見るとグレードが高い胚盤胞は、そうでない胚に比べて着床率・妊娠率が高くなる(約50〜60%前後)傾向にあります。
しかし、顕微鏡で確認する「グレード」はあくまで「見た目の美しさや成長スピード」の指標です。
赤ちゃんの本当の育つ力である「生命力(染色体の正常さなど)」を完全に表しているわけではありません。
グレードが比較的低いとされる「CC」や「BC」の胚であっても、無事に着床し、元気な赤ちゃんを出産されたケースは決して珍しくありません。
逆に、最高評価の「AA」であっても着床しないこともあります。
見た目の評価(グレード)は、あくまで「現時点でのひとつの目安」といえます。
【体験談】私の採卵結果とグレード(4AB・4BB)のリアル
一度目の採卵で得た胚盤胞は、4BB。
二度目の採卵で得た初期胚は、途中で成長が止まってしまい、グレード以前の問題でした。
三度目の採卵では、最高値のものが4AB。
最低値のものでも4BBでした。
私が通っていたクリニックでは「質の良くない胚は凍結しない」方針でした。
→詳しくは「採卵3回目・19個採れて胚盤胞は4個」へ
しかし、良好胚とは言えないグレードの胚であっても、妊娠・出産できるケースはあります。
そこをあえてクリニックがこのような判断にしたのは、おそらく体力面と費用面の負担を考えてのことだと思います。
30代後半という年齢ですと、体力的に何度も採卵や移植に挑戦できるわけではありません。
そして胚移植の保険適用は6回までと決まっており、それ以上は自費になります。
凍結胚の保管も数に比例して費用がかかります。
そう考えると「可能性が高い、少数の胚のみを凍結して移植する」方針は、あながち間違いではないと私は思います。
私が通っていたクリニックの方針が、治療している全員に適しているかはわかりません。
もし私が卵をたくさんつくれない体質だったなら、「低いグレードの胚でもいいからとにかく移植して!」と考えていたかもしれません。
グレードはあくまで目安。
そして、治療への考え方も人それぞれです。
グレードに一喜一憂しすぎず、でも納得いくまで医師と話し合い、足並みを揃えることが時には必要なのかもしれません。


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