胎嚢確認からさらに一週間後、今度は心拍確認のためにクリニックへ向かいました。
→胎嚢確認については「体外受精後の胎嚢確認とは?」へ
妊娠初期の不妊治療や妊婦健診において、hCG血中濃度・胎嚢確認に次ぐ最大の壁が「心拍確認」です。
トイレに行く度の恐怖と「どうかお腹にいて」と祈る日々
妊娠初期と言われる時期は、やっとお腹に宿った命がこぼれてしまわないようにずっと気を張って過ごしていました。
クリニックでエコー検査を受けているときも、「どうかまだお腹にいて」と念じていました。
エコーの画面ではピコピコと動く何かが見えます。
「これが心臓ですよ。元気に動いていますね」と医師が声をかけてくれます。
トイレに行く度に出血がないか確認し、不安な一週間を過ごしていた私は、この時にやっと大きく深呼吸ができたような気持ちでした。
心拍確認ができる時期と「2回の壁」とは?
一般的に、赤ちゃんの心拍がエコー検査で確認できるようになるのは妊娠6週〜7週目頃です。
妊娠5週頃に見えた「胎嚢」の中に、妊娠6週頃になると「胎芽」と「卵黄嚢」が見え始め、その胎芽の中で小さな心臓が動き始めます。
不妊治療を行っている場合、受精や移植の日時が確定しているため、成長のスピードをよりシビアに感じやすいかもしれません。
しかし、心拍確認には「2回の壁」が存在します。
- 1回目の心拍確認(妊娠6週頃)
まずは「ピコピコと動いているか(=心拍が存在するか)」を確認します。 - 2回目の心拍確認(妊娠7〜8週頃)
心拍が安定して継続しているか、成長速度に問題がないかを確認します。
なぜ心拍確認が「大きな節目」と言われるのか?
妊娠初期において、心拍確認は非常に大きな意味を持ちます。
医学的に、心拍が確認できた後は流産率が大幅に下がることが分かっています。
妊娠初期(12週未満)の流産の多くは染色体異常などが原因で起こりますが、心拍が確認できるレベルまで成長できた胚は、生命力が高く順調に育つ可能性が一気に高まるのです。
「心拍確認が取れたら、ひとまず第一関門突破」と言われるのはこのためです。
不妊治療患者から「妊婦」へ|転院の準備と母子手帳の交付
私が通っていたクリニックは不妊治療専門クリニックのため、出産まで通うことはできません。
今回、心拍が確認できたため、近いうちに妊婦検診と分娩のための病院へ転院する必要があります。
まだ不妊治療クリニックを卒業はできないものの、次に通う病院を探すよう指示されました。
また、地域の保険センターへ母子手帳を受け取りにいくように言われました。
まだ妊娠初期なので、妊娠継続を完全に安心できるわけではないですが、つわりが本格的に始まらないうちに済ませておくと良いとのこと。
「出産のための病院」と「母子手帳」。
「不妊治療患者」ではなく、「妊婦」らしい話題が多くなってきて、達成感のようなものが湧いてきました。
今回の妊娠は私にとって初めての妊娠です。
そのため、自分の身体が子どもを育てられる能力があるかどうか、とても不安でした。
まして30代後半という年齢です。
人工授精や採卵でうまくいかなかった記憶もまだ生々しく残っています。
そんな中、心拍確認までできたのは本当に嬉しかったのです。
けれども安心はできません。
不妊治療クリニックの卒業はまだできていないのです。


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