「子どもの頃の高熱で不妊になる」は本当?|噂の真相とおたふく風邪・不妊の理由

不妊治療コラム
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婚姻歴が長いのに子どもがいなかった我が家を心配してくれていた、私の大叔母。

→大叔母については「「子どもは早めにね」と耳打ちした大叔母の思い。」へ

大叔母は自身の不妊理由について「夫が子どもの頃に高熱を出したせい」と言っていました。
子どもの頃の高熱で不妊になるは本当にあるのでしょうか。

「子どもの頃の高熱で不妊になる」は本当?

「子どもの頃に高熱を出すと不妊になる」という噂は、結論から言うと原則として誤りです。
幼少期に風邪やインフルエンザなどで発熱したとしても、それが原因で将来不妊症になることは基本的にありません。

では、なぜこのような話が広く信じられているのでしょうか。

なぜ「高熱で不妊になる」という噂が広まったのか

おそらく、「おたふく風邪」による副睾丸炎(精巣炎)と混同されたためと考えられます。

おたふく風邪に感染すると高熱が出ることがあります。
そして、思春期以降(または幼少期後半〜成人)におたふく風邪にかかると、20〜30%の確率で精巣炎を併発することがあります。
両側の精巣炎を重症化させた場合、精子を作る機能が低下し、男性不妊の原因となるケースがあるのです。

この「おたふく風邪の高熱・精巣炎」という事実が、「子どもの頃の高熱全般で不妊になる」と誤って広まってしまったことが噂の真相のようです。

:幼少期の高熱と不妊リスク|男女別の医学的ファクト

では幼少期の高熱の影響はどれほどあるのでしょうか。
それは性別によって違いはあるのでしょうか。

男性(男児)の場合

【通常の高熱】

一時的に精子の形成機能が落ちることはあっても、熱が下がれば数ヶ月で元に戻ります。
幼少期の熱が大人になってからの不妊につながることはありません。

【おたふく風邪】

幼少期(乳幼児〜小児期初期)の感染では精巣炎を起こすことは稀です。
リスクが高まるのは思春期以降の感染です。

女性(女児)の場合

【高熱による不妊リスク】

熱そのものが卵巣や卵子に悪影響を与え、将来の不妊につながることはありません。
おたふく風邪による卵巣炎も極めて稀で、不妊の直接的な原因になることはほぼありません。

おたふく風邪による不妊リスクを防ぐポイント

  • 一般的な熱なら心配無用

    風邪、プール熱、突発性発疹などで40度近い熱が出ても、それが将来の生育機能や生殖機能に悪影響を及ぼすことはありません。
  • ワクチン接種による予防

    おたふく風邪による不妊リスクが気になる場合は、「おたふく風邪ワクチン」を接種しておくことが最も確実な予防策となります。

大叔母の旦那さんが本当におたふく風邪の高熱による男性不妊だったのかどうかはわかりません。
しかし、大叔母が当時の不妊治療の方法で、なんとか子どもを授かろうと努力をしていたのは事実です。
基礎体温をつけて、漢方を飲んで、タイミングをとって、子授けの神社へお参りも行って。
それでも願いはかなわなかったことを思うと、その理由をなにかしらに見出したかったのだと思います。
それが大叔母にとっては「夫が子どもの頃に高熱出したから」だったのでしょう。

現在の不妊治療をもってしても、不妊の原因が明確にわかるとは限りません。
実際に我が家も原因不明不妊です。

子どもの頃に高熱出したから不妊になることはありません。
それでも、それを不妊の理由とすることで、自分を納得させたかった大叔母の気持ちはわかります。

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